エンジン : 少々大きめの金属的なエンジン音は、他の車とすぐに見分けがつきます。空冷対向式2気筒のエンジンは、確かに出力がものすごいわけではありませんが、北極圏のノールキャップやアフリカのサハラ砂漠の道まで走れる、信頼のおけるエンジンなのです。
サスペンション : 2CVの主要な特長の一つです。大きな四つのホイールや長いクリアランスなど数多くの技術面でのアイデアにより、サスペンションの柔軟性と伝説的な路面追従性が確保され、どのような悪路でも走れるのです。その代りカーブでは車体が大きく傾くことになります。
ボディ : ボディを形作る多くの部分はネジあるいはボルトで車体に取り付けられていますので、修理をするのが大変簡単なのです。
フロントグラス : 今日では大変小さく感じられます。初期のモデルでは、フロントグラスに通風口がついており、非常に小さなワイパーを手動で動かさなければなりませんでした。
側面窓 : 前側の窓だけが蝶番(ちょうつがい)を使ったシステムによって開閉できます。これはいつもお客様の笑いを誘います。
座席 : 金属の枠組みの間に、キャンバス地や合成皮革に覆われたゴムバンドを吊っただけの簡素な設計です。非常に柔軟性がありますので、後部座席の真ん中にお座りになる方はお気をつけください!
コンバーチブル : 居住スペース全体を覆っているのがキャンバス地であることから、2CVは最も価格の安いコンバーチブルです。当初はコスト削減のため、このキャンバス地が後方のバンパーのところまで覆い、トランクのふた代わりにもなっていたのですが、そのせいで盗難も多かったのです。
暖房 : エンジンの冷却風の一部が暖房に使われます。それが車内の居住スペースで何とも言い難い機械のにおいがする理由の一つです。
錆(さび : 2CVの最大の敵です。錆は少しずつフレームにまで広がっていき、極端な場合にはフレームを折り曲げてしまうこともあります。
変遷 : 第二次世界大戦直前に開発され、1948年に公式に発表された2CVですが、生産が終了したのは1990年になってからのことです。この間2CVは、最終的にほとんど変化しませんでした。(それでもエンジンの出力は3倍になっています。)これほど長期に渡るモデルスパンを持つ製品はめずらしく、設計の完成度がいかに高かったかを証明しています。 |